八潮市の新美歯科医院の新美です。
歯科治療のペインコントロールと感染症に興味を持ちながら、日々治療に励んでいます。
日本での死亡率が35.5%にものぼり、年間約5000人もの命が奪われている口腔・咽頭がん。口腔がんは進行すると、舌や頬、顎の一部もしくは全てを切除することになり、術後のQOLの低下は著しい。
口腔がんは40歳代から増加し始めて、60歳から70歳代でピークになります。その多くは男性に発症しています。飲酒や喫煙の習慣が原因といわれています。
また、飲酒と喫煙、不適切な補綴物等が危険因子であることはもちろん、歯列が関係しているのではないかという報告もみられます。
口腔がんの危険因子として喫煙、過度の飲酒、慢性の機械的・化学的刺激、ウイルス感染(ヒトパピローマウイルス)などが挙げられます。
口腔がんの5年生存率は、早期のステージでは90%程度で、早期に発見できれば完治する可能性が高いがんです。しかし、口腔がんの初期では自覚症状がほとんどないこと、歯周病や口内炎と間違えやすいことなどもあり、進行してから発見される場合も少なくありません。
進行がんでは発生部位や大きさによって、会話や食事に支障を来したり、顔貌の変形などの後遺症が残ったりすることもあり、社会復帰が難しくなる場合もあります。
また、口腔がん患者の約9%が食道がんや胃がんを併発していることや、他のがんに比べて、キャンサーサバイバーの自殺率が高いことなども分かっています。