八潮市の歯医者さん「新美歯科医院」

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針刺し、粘膜暴露への対応

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11月23日にICD講習会を受講してきました。歯科医療にとって唾液に触れたりする機会は多く、針刺しの危険も免れない。

HBVの血液暴露での感染率は高く、血液以外でも唾液、関節液、胸腹水も感染源として考える必要がある。基本的な感染防御対策としてはアメリカ疾病対策予防センター(Centers for disease control and prevention:CDC)によって以前から提唱されているスタンダード・プレコーションがまず重要である。

これはすべての血液、傷のある皮膚、排泄物、分泌物を感染性のある危険物とみなし、直接触れないことを原則とするものである。皮膚に触れてしまったら、すぐに流水で十分に洗い流すこと、万一自身の粘膜や傷ついた皮膚に触れた場合は流水で洗い流し、医療機関を受診する必要がある。

この講習会の中で、興味深かった話の一つにアメリカンフットボール部と相撲部における集団感染の話である。Tobe(2000)の報告ではある大学のアメリカンフットボールチーム65名のうち、19ヶ月の間に11名のB型肝炎ウイルス感染者が発生したとのことであった。また、Yatuhashi(2014)の報告ではある高校の相撲部のメンバー2名が6週間のうちに、相次いでB型の急性肝炎を発症した。後の調査で、この相撲部の28歳の男性コーチが、HBs抗原陽性で血中ウイルス量が高値であり、急性肝炎発病者とコーチのHBVの遺伝子型が一致することが判明した。この事例は触れ合うスポーツ活動中に、発生しており皮膚の擦り傷や出血によってHBVの感染が広がったことが示唆されている。

これらのことより、職業的に感染機会にさらされる医療従事者は感染対策が必須であることが示唆された。

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