厚生労働省の平成14年糖尿病実態調査によると、糖尿病の罹患が強く疑われる人は740万人であり、罹患の可能性を否定できない人を合わせると1620万人となる。この数字は成人の5~6人に1人が糖尿病患者もしくはその予備軍であることを意味している。
糖尿病は主として1型糖尿病と2型糖尿病に大別することができる。他に妊娠糖尿病、二次性糖尿病がある。
糖尿病により慢性の高血糖状態が長期に続くと、種々の合併症を発症する確率が上昇する。近年、「網膜症」「神経障害」「腎症」「大血管障害」「細小血管障害」についで「歯周病」は第6番目の合併症としてとらえられるようになっている。
歯周病を予防するには、半年〜1年に1回は患者さん自身で歯科医院を受診してチェックアップするのが望ましく、糖尿病があって血糖値が高ければ、さらに短期間で3ヶ月に1回は歯周病の有無をチェックし、歯周病があれば早めにケアをしていただくことが重要です。口の中には常にたくさんの細菌がすんでいます。口腔内フローラと呼ばれていますが、お口と全身の健康のためには、この中の良い菌を残し、悪い菌を減らして、バランスを保つ必要があります。
重要なことは、糖尿病の人は歯周病になりやすく、歯周病がある人は、血糖値が高くなりやすいので、もしかすると何割かの方はお口の健康が損なわれているために、血糖コントロールができていないのかもしれません。
参考文献:歯周病の診断と治療の指針2007
糖尿病治療のエッセンス
月刊糖尿病ライフ さかえ